掛軸の種類
掛軸には、季節を愛でたりおもてなしの心を伝えたり、お祝いや供養などの家族の行事に使うものなど、TPOに合わせた様々な種類があります。今回は、掛軸の種類(大きく分けて6種類)を簡単にご説明します。
1祝掛(いわいがけ)(日の出・鶴亀・高砂など)
時季 お正月・結婚・結納・還暦米寿など祝い事の前後2・3週から長くとも1か月程飾る。お祝いの日の前日や当日に変えかえるのは、一夜掛けといわれ縁起が悪いとされるので、早めに準備する。
2季節掛(きせつがけ)(花鳥画・風景画・画賛・書など)
春夏秋冬 四季に合わせその少し前から掛ける。12か月揃えたり、お気に入りの花鳥画・作家など自分好みのバージョンアップで一番種類が多く楽しめる。
3茶掛(ちゃがけ)(墨蹟・画賛・書)
茶人である千利休の秘伝書『南方録』には、「掛物ほど第一の道具はなし」と書かれており、茶席において非常に重要視されているのがわかります。利休の侘茶の席で掛ける、掛軸は本来、書や画賛を多く用い、表装の形態もあっさりと柱が細い輪補(りんぽ)表装で仕立てられる。特に格調高く好まれる掛軸は禅僧や高僧の墨蹟(書)であるが、近年人気のカジュアルな茶席や茶会では、亭主好みの季節掛けや書をモダン表装で仕立てた掛軸で楽しむ。
4年中掛(ねんじゅうがけ)(水墨山水・四季草花・牡丹・松・竹・書・観音・福の神)
水墨山水や彩色山水・四季折々の草花が盛り花のように描かれた四季花などが、季節問わず使える便利な一幅。また、春に咲く季節の花の中でも「牡丹」は富貴花(ふきか)とも言い花の王様とされることから、上客をもてなしその家の富貴繁栄を願う意味で年中使ってもよしとされる。その他に松や竹など常緑で縁起の良いもの、書や観音様・福の神なども縁起を担いで飾れる。
※掛軸とは・・・part2で記載したように、掛軸は湿度・温度に敏感な性質があります。年に数回掛け替えることにより状態を長く保ち、鑑賞に耐える作品を維持出来ます。また年に数回、掛軸専用の防虫香の入れ替えも保存に効果的です。もし傷んでしまった掛軸はなるべく早めの修理修復仕立て替えがおすすめです。
5趣味・人物画(しゅみ・じんぶつが)(虎渓三笑之図・牧童・寒山拾得・利休・芭蕉・一茶・良寛・美人画など)
各種書(漢詩や座右の銘などの書)や美人画や良寛様などの人物画。幕末~明治にかけて文人画とよばれ大流行し、池大雅・谷文晁・渡辺崋山・滝和亭・富岡鉄斎など超有名作家が活躍した。その場のお客様に合わせた内容のストーリーを大切に掛けるととても趣(おもむき)がある。
6仏事掛(ぶつじがけ)(十三仏・名号・曼荼羅・仏画)
各種法要やお盆・お彼岸など、ご自身の宗派にあった一幅をお選びください。どんなもの掛けたらよいかわからない方はお気軽にご相談ください。
近代は創業から50年、掛軸製作・販売と修理のプロフェッショナルとして、新潟県全域の多くのお客様からご依頼を受けております。
長岡本店アートギャラリーでは掛軸の常設展示をしておりますし、常に数百本の掛軸をご用意しております。その他お客様のご依頼・ご相談を受け特注品の制作も行っております。お気軽にご来店ください。
また掛軸・表装・修理・美術工芸品の事でお困りごとがございましたら、何でも近代へお気軽にご相談ください。
近代本店 新潟県長岡市新産3-1-7 ☎0258-46-3939